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キャンプならではの食事。水、燃料は忘れずに。

　ジョシュア・ツリー園内には食事をする施設はなく、食料品も取り扱っていない。だが、公園入り口近くの29パームズにはファストフード店や食料品店があり、入園する前に食料を購入しておけばバーベキューも可能だ。逆に公園南のIー10側には何もない。
　ジョシュア・ツリーはキャンプ・グラウンドが9か所ある。いずれにも駐車場、テーブルにベンチ、バーベキュー用のストーブ、焚き火用のピッツが用意され、至れり尽くせりだ。用意するものはほとんどないのだが、安心しすぎて燃料を持参する事を忘れないように。焚き火の薪は、どこか山の中で調達・・・なんて考える横着な人も中にはいるだろうが、州立公園の中で薪を採ることは禁止されている。ブリケットという豆炭の小さいのを1袋、薪を一束も持てば充分。また、初めから燃料をしみこませた、簡単に着火する豆炭もスーパーで売られている。何でも手軽になってくると、焚き火をしなければならない理由はあまりない。要は気分の問題だ。夜を待って焚き火を・・・などとロマンチックに考えないで早めにおこそう。都会と違い、日がくれると真っ暗になる。
　豆炭をストーブに入れて、バーベキューなどの調理をするが、面倒だと思う人にはプロパンガスの携帯用ストーブがよい。シングルバーナーもあるが、ダブルバーナーの方がいっぺんに2つの調理ができて便利な上、値段もあまり変わらない。プロパン1個は2時間くらいもつ。一定の細火を保ちたいスキヤキなどの鍋料理にも重宝する。
　水と水洗トイレがあるのはコットンウッド・キャンプグラウンドと、ブラック・ロック・キャニオンだけで、あとはテーブルとファイヤープレイスと簡単なトイレだけ。水は自分で持って行かなければならない(なくなったらビジター・センターなど、3か所で調達できる)。
　さて食べ物だが、これは人により好き好きがあって、一口には言えない。豆炭をおこすなら、バーベキュー。キャンプ上に入る前に途中のスーパーで肉を買ってから夕食用に調理するまで時間があるだろうから、クーラーボックスを持参し、入れておく。焼きおにぎりも普段とは違う香ばしさでおいしい。その他、アメリカの定番キャンプスナックと言ったらs’mores(スモーアズ)だ。マシュマロを串に刺してあぶり、焦げ目がついたら2つに割ったグラハムクラッカーに、チョコレートと一緒間に挟んでサンドイッチ状にして食べる。指がベトベトになるが、これが美味い。
　箸が使える我々にフォークは不要だが、よく切れるナイフが必要。皿、コップは使い捨てだが、プラスチックより焚き火で燃せる紙製を。プラスチックのナイフやスプーンは、熱いスープの中でヒン曲がる事もあるので要注意。
星空を見ながらいい夢を。
　テントは戸口を南に向けて建てる。北向きでは冷たい夜風が吹き込むし、東向きでは日の出とともに目が覚めてしまう。また近頃のテントには、貴重品入れのポケットがついているが、ここに物をいれると、夜、明かりをつけた時に、外から透けて見えてしまう。貴重品は明日はく靴下にいれ、寝袋の中に入れて寝る。この方法の利点は、翌朝、靴下を履く事さえ忘れなければ、貴重品を置いて行ってしまう心配のない事だ。
　キャンプの夜もまた素晴らしい。山の夜には本当に匂いがある。そら高くそびえる赤松、黒松、樫や杉の木々が放つ酸素なのだろうか?それとも、夜霧に漏れる草花のだろうか?星はとうてい想像もできないくらい大きく、そして無数に輝く。「あっ、カシオペア!」「スバルだ!」「あれはコグマ座」などと言っていると、いつの間にか童心に帰っている自分を見出すだろう。爽やかな無心こそ我々がキャンプで得られる最大の収穫であり、大自然の贈り物なのだ。